「新しいパソコンにWindows 11を入れたい」「パソコンの動作を最新の状態にしたい」と考えているあなた。もしかしたら「ディスクをGPT形式にしてください」というメッセージに困っていませんか?
なんだか難しそうな言葉ですが、ご安心ください。この記事では、専門用語をかみ砕いて説明し、誰でも安全にディスク形式を変換する方法を解説します。
MBRとGPTって、一体なに? 🤔
まずは、今回の主役である「MBR」と「GPT」について、分かりやすく説明します。 これらは、ハードディスクやSSD(データを保存する部品)の中身を整理するための「目次の作り方」のようなものです。
MBR (マスターブートレコード)
昔ながらの、古い「図書カード」のようなものです。
- 管理できる本の数に限りがある(最大4つの部屋=パーティションにしか分けられない)。
- 大きな図書館には対応できない(約2TBまでのディスクしか管理できない)。
- カードが破損すると、本を探せなくなる(管理情報が1か所にしかないので、壊れると起動しなくなる危険がある)。
GPT (GUIDパーティションテーブル)
新しい、現代的な「デジタル検索システム」のようなものです。
- ほぼ無限に本を管理できる(最大128個の部屋=パーティションに分けられる)。
- 超巨大な図書館にも余裕で対応(事実上、容量の制限はない)。
- データのコピーが複数あるので安心(管理情報が複数箇所に保存され、壊れにくく安全性が高い)。
つまり、GPTはMBRの進化版で、より大容量で、より安全な新しい規格なのです。
なぜWindows 11にはGPTが必要なの?
Windows 11は、セキュリティの強化や起動の高速化のため、「UEFI」という新しいパソコンの起動システムを前提に作られています。
そして、このUEFIシステムは、新しい目録である「GPT」形式のディスクでないと動作しないルールになっています。
そのため、古いMBR形式のディスクにWindows 11をインストールしようとすると、「このディスクにはWindowsをインストールできません。選択されたディスクはGPTのパーティションの形式ではありません。」と表示されてしまうのです。
Windows 11を快適に使うためには、ディスクをMBRからGPTへ変換することが必須となります。
MBRからGPTに変換する方法
データを消さずに変換する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な2つの方法をご紹介します。
方法1:EaseUS Partition Masterを使う(一番カンタンでおすすめ✨)
「コマンド操作は怖い」「クリックだけで簡単に済ませたい」という方には、専門ソフトを使うのが最も安全で確実です。EaseUS Partition Masterは、無料版でもMBRからGPTへの変換機能が使え、世界中で多くのユーザーに利用されています。
特徴:
- マウス操作だけで完了する
- データを消さずに変換できる
- 専門知識がなくても安心
手順:
- まず、EaseUS Partition Masterの公式サイトから無料版をダウンロードし、パソコンにインストールします。
- ソフトを起動すると、パソコンに接続されているディスクの一覧が表示されます。
- 変換したいディスク(通常は「ディスク0」などOSが入っているもの)を右クリックし、メニューから「GPTに変換」を選択します。
- 左上の「1個のタスクを実行」ボタンをクリックし、確認画面で「適用」をクリックします。
- パソコンの再起動が促され、処理が自動的に行われます。完了すれば、変換は成功です。
方法2:Windows標準機能を使う(無料・中級者向け)
Windowsには元々「MBR2GPT」という変換ツールが用意されています。ソフトをインストールする必要はありませんが、操作は「コマンドプロンプト」という黒い画面で行うため、少しだけ専門的になります。
特徴:
- 追加ソフトのインストールが不要
- 無料で利用できる
- 黒い画面でのキーボード入力が必要
手順:
- Shiftキーを押しながら、Windowsのスタートメニューから「再起動」をクリックします。
- 青い「オプションの選択」画面が表示されたら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順に選択します。
- 黒い画面(コマンドプロンプト)が起動します。
- まず、変換できるかチェックするために、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
mbr2gpt /validate
- 「Validation completed successfully」と表示されたら、変換可能です。以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
mbr2gpt /convert
- 「Conversion completed successfully」と表示されたら、変換は成功です。「exit」と入力してコマンドプロンプトを閉じ、PCを再起動します。
【重要】最後にBIOS設定を「UEFI」に変更しよう
ディスクをGPTに変換したら、最後にパソコンの起動設定を「MBR用の古い起動方法(Legacy BIOS)」から「GPT用の新しい起動方法(UEFI)」に切り替える必要があります。
- パソコンを再起動し、メーカーロゴが表示されている間に「F2」キーや「Delete」キーを連打して、BIOS(UEFI)設定画面を開きます。(キーはメーカーにより異なります)
- 設定画面の中から「Boot」や「起動」といった項目を探します。
- 「Boot Mode」などの項目を「Legacy」や「CSM」から「UEFI」に変更します。
- 設定を保存(通常は「F10」キー)して、再起動します。
これで、すべての作業は完了です。あなたのパソコンは無事にWindows 11に対応し、より安全で高性能な状態になりました!